台湾大学の大学院に通う日本人留学生のブログ

2016/12/23

台湾奨学金の書類準備・申請・面接・採用までのことを全部解説します



私はいま台湾の教育部台湾奨学金を受け取りながら、国立台湾大学の修士課程に在籍しています。



今回の記事では台湾の大学や大学院に入学を予定している外国人が応募できる給付型奨学金「台湾奨学金」に申請に必要な書類準備や、書類審査と面接、実際の奨学金受け取りまでのことを紹介していこうと思います。

実は2012年に台湾大学の学部入学の際にもこの奨学金に応募したのですが、一次審査で落ちてしまった経験があります。今回は運良く獲得することができたので、研究計画の書き方や面接で聞かれたことなどの経験をシェアしていきます。


  1. 台湾奨学金とは?
  2. 台湾奨学金申請に必要な書類
  3. 研究計画の書き方
  4. 推薦状を教授に書いてもらう
  5. 書類を郵送する
  6. 【4月下旬】一次審査(書類審査)の結果を受け取る
  7. 【5月20日】二次審査、面接で聞かれたこと
  8. 【5月下旬】合格内定通知を受け取る
  9. 【7月11日】合格通知郵送のメールを受け取る
  10. 【7月中旬】合格通知を受け取る
  11. 【7月30日】採用者講習会に出席する
  12. 留学用のビザ、居留証を申請する
  13. 奨学金を受け取るまでに必要なこと
  14. 台湾の郵便局の口座を開設する
  15. オンラインで口座番号などを記入する
  16. 奨学金が振り込まれるようになる
  17. 【学期終了後】成績表をアップロードする

台湾奨学金とは?

台湾奨学金とは、台湾政府が台湾の大学や大学院へ入学を予定している外国人学生に提供している奨学金のことです。そのほか台湾の中国語センターでの語学留学を計画している外国人学生を対象に提供している華語文奨学金があります。どちらも給付型(返済不要)の奨学金です。

※台湾政府が提供している奨学金には外交部と科技部のものもありますが、この記事では教育部の提供している奨学金について扱います。

日本人の採用枠は2016年度は「台湾奨学金」が18名、「華語文奨学金」が12名でした。

応募者の資格と条件、必要な書類などはこちらのサイトに載っています。
台北駐日経済文化代表処 2016年教育部台湾奨学金募集要項 
年によって募集要項や内容が変更になることがあります。毎年一月頃にその年の要項が発表されるので、必ず最新の情報を参考にしてください。

台湾奨学金の支給金額は以下の通りです。

学部:最長四年間毎月15,000元の生活費と学費
修士課程:最長二年間毎月20,000元の生活費と学費
博士課程:最長四年間毎月20,000元の生活費と学費

以上のように支給されます。学費の上限は一学期40,000元です。

私が在籍している台湾大学の文学院図書情報学系の学費は一学期51,280元なので、不足分は自己負担となります。理工学・医学系では学費は60,000元を超えるので、奨学金があっても、自己負担額が20,000元近くなります。また、学費は大学によっても異なりますので詳細は入学する大学のサイトを参考にしてください。

台湾大学の外国人学生の学費についてはこちらのページに掲載されています。



台湾奨学金申請に必要な書類

  • 奨学金申請票
  • 奨学金承諾書
  • 研究計画書
  • 台湾の大学に入学申請した書類(コピー可)
  • 最終出身校の成績証明書の写し(あればGPA表記)
  • 最終出身校の修了証明書または卒業見込み証明書の写し(中国語か英語訳を添付)
  • 推薦状2通(日本語で作成)
  • パスポートの写し
  • TOCFL 華語文能力測驗進階級以上の証明書
  • 選考結果通知用封筒(長形3号封筒に392円の切手、住所氏名を記入)×2通

私は大学ですでに台湾に滞在していたので、日本の切手は実家の家族に頼みました。台北駐日経済文化代表処のページに注意書きがありますが、台湾以外の国で発行された卒業証明や成績証明は台北駐日経済文化代表処の文書証明を受ける必要があります。時間も費用もかかるので、早めの準備が必要です。




研究計画の書き方

研究計画は中国語で開講されている大学・大学院への入学の場合、中国語で執筆することになります。規定では3000字で、志望する大学と志望動機、研究計画を詳細に記載することとあります。

研究計画の書き方は大学に通っていた方なら何度か書いた経験があると思います。中国語での格式などは「研究計畫 撰寫 範例」などのキーワードで情報が見つかると思います。言語を問わず、研究計画というのは自分の研究したいことをロジカルに書くことだと思うので、日本語や英語の研究計画の書き方などもいくつか見てみると感覚がつかめると思います。


私は志望する学科や研究したいテーマが決まっていたので、学部時代に学んできたこととこれから研究したいことを中心に書きました。加えて先行研究を調べたり、志望学科で履修する予定のクラスを盛り込んでいきました。


奨学金の書類を書くのは、大学・大学院の申請書類と同じくらいの時期になるので、同時に準備すると効率がいいと思います。


面接の際に台北駐日経済文化代表処のスタッフの方がおっしゃっていたのですが、審査のほとんどはこの研究計画で決まるそうです。そのため研究計画を書き慣れている大学院申請者のほうがポイントが高い傾向があるそうです。実際8月に行われた受賞者の講習会で出会ったほかの受賞者のうち、学部生は確か3名でした。


推薦状を教授に書いてもらう

私は人類学系でお世話になっている考古学の教授2名にお願いしました。ギリギリにお願いして無理を言って書いてもらったので、これを読んでいるみなさんはそんなことをしないようにしてくださいね…。締め切りの一ヶ月前くらいには話をしておくのがいいと思います。

推薦状に書いてもらいたい内容について、あらかじめ伝えておくと教授も書きやすいとおっしゃっていました。なので自分の研究テーマやこれまでの活動や長所など、まとめておくとよいでしょう。

また、推薦状は日本語で作成との規定があるので、台湾人の教授には中国語で書いていただいたものを自分で日本語訳しました。


書類を郵送する

上述の1〜10を郵送します。

宛先は


108–0071東京都港区白金台5−20−2台北駐日経済文化代表処教育組「教育部奨学金担当」


先方から書類が届いたなどの通知はないので、配送状況を追跡できる郵送方法を使うのが無難だと思います。

【4月下旬】一次審査(書類審査)の結果を受け取る

一次審査を通過し、面接の案内が届く

4月下旬に通過・落選に関わらず、一次審査の結果が届きます。


書類審査通過者は5月20日の面接に参加するように、との案内です。面接は東京の台北駐日経済文化代表処で行われるので、航空券などを手配。私の報到時間は9:40でしたが、午後の人もいました。




【5月20日】二次審査、面接で聞かれたこと

面接は、面接官は確か台湾人の2名・日本人2名で、中国語で行われました。
面接の前に待機しているときに代表処のスタッフの方が面接の前に厚かましく質問したところ、いろいろ教えてもらえました。
たとえば今回は24名が一次審査を通過して面接に進んでいるが、台湾奨学金は面接までこれば採用率はとても高いこと。採用は18名で、ほかに補欠で4名を選ぶが、毎年採用されてもほかの奨学金を選ぶ人が一定数いて台湾奨学金を辞退するので、補欠でもチャンスはあるそうです。あと、面接官は考古学について知らないから、そこまでつっこんだ質問はしてこないよ、など(笑)
ほかには、書類審査では研究計画が選考の重要な基準であるが、面接では主に中国語能力が台湾で学業を修めるのに十分であるかが重視されるとおっしゃっていました。
私が面接で聞かれた内容はこんな感じでした。


  • 公共考古学とは何か
  • 日本における公共考古学の状況
  • 学部は人類学系を卒業したのに、修士で図書情報学に専攻を変えたのか
  • 研究の目的は
  • なぜ台湾でなければだめなのか


これらが研究に関する質問で、ほかにはあなたの故郷を紹介して、というのと将来の計画を聞かれました。

研究に関する質問は、研究計画がきちんと書けていれば問題なく答えられるものだと思います。

面接時間は10〜15分程度だったと記憶しています。

台北駐日經濟文化代表處



【5月下旬】合格内定通知を受け取る

最終結果は7月に郵送とのことでしたが、面接がおわってすぐの5月下旬の段階で内定通知が届きました。これを受け取ったら、代表処へ大学の入学許可書を郵送します。大学によって合格発表の時期が異なるのですが、台湾大学は5月初旬には結果が出ており中旬には正式な書類もいただいていたので問題ありませんでした。


大学によっては合格発表の時期が遅いところもあるので、もし締め切りの6月30日に間に合うか微妙で、先方を待たせる状況になった場合はその旨を伝えて連絡をとりあっておけば大丈夫だと思います。


台湾奨学金「正取」の内定通知


【7月11日】合格通知郵送のメールを受け取る

募集要項には合格通知は7月上旬に郵送する…とありましたが、「なかなか届かないな〜?」と思っていた7月11日に、書面での合格通知に先立ってメールが届きました。

【7月中旬】合格通知を受け取る

7月中旬に書面の合格通知が届きました。1枚目は合格者講習会の実施についてのお知らせで、2枚目は合格通知書(中文・英文)です。



講習会は7月30日(土)11:00~12:30まで

【7月30日】合格者講習会に出席する

合格者が決定したら、代表処のホームページ上で講習会の案内が掲載されました。講習会は2016年5月20日に面接をしたのと同じ、東京の代表処で行われました。

お昼の時間なのでお弁当が支給されました。


内容は主に受賞者同士の顔合わせと、先輩の経験のシェア、ビザの申請方法などといった感じでした。参加は強制ではないようですが、ほぼ全員が参加していたように思います。


講習によると、奨学金は教育部が提供するものですが、実際の支給は大学を通して行われるので、以降の連絡は大学の事務所からくるようになります。なので大学のメールをチェックするようにします。



留学用のビザ、居留証を申請する

奨学金の採用が決まったら、台湾へ渡航するまえにビザの申請を行います。

詳しくは
105年臺灣獎學金及教育部華語文獎學金行前講習會參考資料

に、ビザの申請方法や奨学金の支給方法や規則、注意事項などが記載されています。

私はすでに台湾在住だったので新たにビザを取得する必要はなく、例年通り台北の移民署にて居留証の延長手続きをするだけでした。




奨学金を受け取るまでに必要なこと

ここからの連絡は、台北駐日経済文化代表処に変わって、各大学から奨学金の受け取りなどについてメールで連絡がきます。


台湾大学の場合、国際事務所の「獎學金領受步驟」というページに、奨学金受け取りに必要な作業が記載されています。


奨学金を受け取るのにARC居留證や郵便局の口座開設が必要なため、実際にお金が振り込まれるまでに結構時間がかかります。


台湾の郵便局の口座を開設する

郵便局の口座開設にあたって必要なものは以下の通りです;
  • パスポート
  • 居留証、もしくは中華民國統一證號基資表


「中華民國統一證號基資表」は中華民國內政部移民署 で発行してもらえます。


内政部移民署は MRT小南門の駅2番出口から徒歩5分程度です。

オンラインで口座番号などを記入する


居留證や口座の開設ができたら、台湾大学の場合は以下のページからログインして必要事項を記入します。

受獎生領獎資訊填寫系統



奨学金が振り込まれるようになる

晴れて台湾奨学金に合格して台湾での学生生活を始めることになりました。そこで気になるのは奨学金はいつごろ振り込まれるようになるのかではないでしょうか?

上記の作業が完了し、学費の支払いを済ませると、順次奨学金が振り込まれるようになりますが、台湾に渡航してからもいろいろな申請手続きがあるので、最初の奨学金受領までに時間がかかるので注意が必要です。

郵便局の通帳


学費の支払いが遅れると、そのぶん奨学金の振込も遅くなります。

私の場合、最初の奨学金振込は10月20日と10月21日で、9月分と10月分がほぼ同時に振り込まれました。

このように、10月下旬になってようやく奨学金が振り込まれるという事態が予想されるので、台湾渡航後の最初の月は金銭的な余裕を持たせておきましょう。

【学期終了後】成績表をアップロードする


台湾奨学金の学生は、毎学期終了後に成績証明を「臺灣獎學金受獎生領獎資訊填寫系統」システムにアップロードします。

教育部の台湾奨学金の場合、成績が学部生は70点(GPA2.44)、修士と博士は80点(GPA3.38)を下回ると次の学期から奨学金の支給がストップしてしまいます。

成績表のアップロードの期限はおよそ次の学期が始まる前までと時間に余裕があります。




おわりに


非常に長い記事になってしまいました。少しでもこれから台湾への本科留学を考えている方の参考になれば幸いです。


台湾奨学金は修士の場合、年間にすると生活費20,000×12ヶ月、学費40,000×二学期の32万元も支給していただけます。日本円にすると年間100万円近い金額です。


私はキャンパス内の寮ではなく、外でアパートを借りて生活していますが、家賃が約1万元と食費を考えても、2万元は十分に生活していける金額です。

私も2012年度の大学入学時に応募した際は選考漏れした経験があるので、採用されるのは簡単ではないと思っていますが、本科留学や語学留学を考えている方は台湾奨学金への応募を検討してみてください。

当時は台湾奨学金はだめでしたが、学部の四年次には台湾大学が外国人学生に提供している助学金をいただいていました。入学時に奨学金を得られなくても、在校生向けの助学金があるので参考にしてください。






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