2014/10/14

台湾大学留学に必要な語学力について

今日は台湾で大学に正規留学するのには、どのくらいの中国語レベルが必要なのかについて、私の今学期の教材や課題を例に挙げながら紹介して行こうと思います。

台湾大学に入学申請をする時に、学部によって求められる中国語レベルは異なりますが、基本的にはどの学部でも中国語「を」学ぶのではなく、中国語「で」学ぶので、やっぱり中国語レベルは高いに越したことはないと思います。

いつもの事ですが、今回の記事もあくまでも私が通っている「文學院人類學系」の例だということをご了承ください。他の学部では全く違った授業方法をとっているかもしれませんし、苦労するポイントも異なると思います。

人類学系では、毎週先生が課程平台ceibaに指定の文献などをアップロードするか、教科書の当該週の範囲を発表するので、授業前までに読んでおきます。文学部所属なので、基本は文を読んでいます(笑)。リーディングは中国語(繁体字、簡体字共に)もありますし、英語の物も多いです。今学期履修している台湾原住民族のクラスや中国考古学では、扱う内容が内容な為、使用する論文はほぼ中国語です。公共考古学のクラスは世界中のケースを扱いますし、最新の論文を読んだりするので、こちらはほぼ英語の文献です。

課程平台ceibaについてのブログ記事はこちらです。

台湾大学の課程平台ceibaについて



授業前のリーディング


これは中国考古学のある週の必読リーディングです。余白にメモをとったり、別のノートに内容をまとめたりしています。

(2015年1月6日加筆)
臺大開放式課程で、授業で使うパワーポイントのスライドがダウンロードできたり、教科書などのリストも紹介されているので、是非利用してみてください。

もし既に台湾に滞在している場合、台湾大学の図書館などで参考文献を読んでみたりするのも良いと思います。(台湾大学の総合図書館は身分証明書と荷物を預ければ、一般の方も入館できます)

台湾大学の図書館での書籍の検索はこちらの台灣大學圖書館のサイトから行うことができます。


授業中の中国語リスニング


授業については、台湾大学の開放式課程というウェブサイトで、一部の授業をインターネットで視聴することができますので、実際に聞いてみると良いと思います。先生によっては早口だったり、台湾語を混ぜてきたりと個人差があります。

臺大開放式課程については、このブログでも紹介しております。

インターネットで台湾大学の授業が体験できる!台大開放式課程を紹介します。





台湾大学では一部の授業は英語で行うものもあります。そのような英語で授業を行うクラスでは、授業中の発言やレポートの一切が英語で行われます。ですが、こういった全てを英語で行わうクラスは多くはありません。多くの場合、教科書は英語、授業は中国語だと思います。

授業中で大変なのは、先生の話を聞くことに集中しすぎると、スライドや板書を読むのが追いつかなかったり、ノートにメモを取っていると先生の話を聞き逃してしまうことです。今年三年の私ですが、今でも授業の内容を全部聞き取れているわけではないので、授業前のリーディングや、授業で配られるハンドアウトなどを利用しての復習は必須です。また、私を含む一部のクラスメイトは、授業中の先生の話をスマホなどのレコーダーで録音して、後で聞いたりしています。



レポート


レポートには幾つか種類があります。指定の文献を読んでサマリーを作るもの、心得という文章を読んだり映画を観たり、何かを体験した後に書く感想文のようなもの、そしてあるテーマの研究レポートなどが挙げられます。レポートは個人で書くものや、グループで書くものがあります。

字数は文学院人類学系では、心得報告やサマリーの場合は1000字程度、研究レポートの場合は5000字以上ということが多いです。

書くことに関しても、自身の中国語レベルの限界があるので、ネイティブのような綺麗な文は書けていないのですが、単純な文で、一文一文書いている感じです。語学センターでの作文の課題ではないので、敢えていろんな文型を使ったりなどはしていません(笑)。でもやっぱり文を書くのが上手くなりたいです…。上達するには毎回ちゃんとレポートを真面目に書いて行くしかないんでしょうね…。

プレゼン


先週の木曜日に、中国考古学のクラスで今学期最初のプレゼンがありました。これは上の画像の二つの論文を読んでサマリーを作って発表するものでした。内容は自分の興味のある中国の農業の開始についてだったので、スライドを作るまでは結構楽しめました。プレゼン本番はやはり緊張してしまって、用意したスクリプトを読んでいるだけになってしまいました。本番前に練習をしておくべきでしたね…。(と毎回思っているのですが、準備に時間がかかってしまい、なかなかうまくいかない)

グループで行うプレゼンの場合、事前に各自が台上で話すパートの分担をしたりしています。プレゼン時間は私の経験ではサマリー発表や、研究レポートのプロポーザル発表だと10分程度、研究レポートの発表だと長くて30分くらいでしょうか。

レポートやプレゼンの時に大変なのが、文献が英語でそれを中国語で発表しなければならない点です。私の場合、英語を読んで日本語で一旦まとめて、それから中国語でアウトプット…のようなステップでやっています。自身の英語力が決して高くないので、日本語を介さないといけない分、手間がかかってしまいます。

私の習慣ですが、リーディングでも授業中でもノートは日本語でとっています。中国語で書くより画数が少ないのと、日本語なら文法も適当に殴り書いても、後でどんな意味だったかわかりやすいからです(笑)。私はバイリンガルではないので、基本的に頭の中は日本語です。

英語力と、図書館の日本語の文献



私の英語力不足については何度かお話しています。

実は台湾大学の図書館にはたくさんの日本語の文献があります。特に前学期に履修していた人類学史のクラスでは、人類学という学問の歴史を学びました。人類学の古典とも言える学者の本は図書館で日本語版が手に入ることがあり、大いに助けられました。

でもこういったチートに頼りすぎると、日本語や中国語版が手に入らない文献にいつまでたっても対応できない危険性もあるので、やっぱり地道に努力するしかないな…と毎週公共考古学のリーディングを読みながら考えています(笑)。

ちなみに上の画像がまさに前学期の人類学史でプレゼンをしたクリフォード・ギアスの一章「Deep Play」の原本と日本語版、実はこの他に中国語版も読みました。


色々と紹介してきましたが、私の中国語(及び英語)レベルは今でもいくらでも改良の余地はありますし、実際大学に入ってから中国語のリスニングもスピーキングもリーディングもライティングも伸びると思います。特に授業でのリスニングなんかは慣れによる部分は大きかったと感じています。また、真面目にやっていれば同級生が様々な面で助けてくれると思いますので、過度な心配はしなくてもいいと思います。

今回は大学に必要な中国語レベルに関する記事のつもりだったのですが、なんだか抽象的な内容になってしまいました。入学時点での私の中国語レベルはTOCFLの流利級でした。ですが噂によると今では試験の難易度が上がっているそうですので、今の試験で流利級に合格していれば十分大丈夫なのではないかと思います。もちろん大学に入って伸びることもありますし、結局は努力次第だと思います。



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(2014年10月20日追記)

コメント欄に、訪問學生として台湾大学に留学を予定しているNさんに質問をいただきました。リンクや画像も入れたかったので、本文中に追記として回答したいと思います。

期間は1年間で、台湾大学で英語で専門分野を学びたい、また語学に不安があるとのことでした。

まずは台湾大学の訪問學生向けのメインページはこちら

語学に関して、私の英語能力は惨憺たるものなので、英語に関しては何もアドバイスできないのが心苦しいです。英語の試験もまだ受けたことがないので、指標になるデータがなくて申し訳ないです…。

私は過去に二つ英語で行うクラスをとっていたことがあるのですが、とりあえずパスはできたものの、成績はあまり良くなかったです…。テストが選択式と時々記述式だったことや、プレゼンがなかったことが幸いでした。(クラスによると思います)また、授業を受けている台湾人のクラスメイトに中国語でいろいろ聞いて、助けてもらったりもしました…。Nさんの英語のスコアを見る限り、断然私より英語能力が高いと思うので、これほどまでは苦労はしないのではないかと思います。また、日本で既に大学で通っていらっしゃいますので、専攻の分野についての知識もあると思います。なのでなおさら問題はないのではないかと考えます。

台湾大学が英語で開講しているクラスについては、ここを参考にしてください。
英語で行うクラスの教授は必ずしも欧米の先生だけではなく、日本人の先生や台湾人の先生もいらっしゃいます。


※英語授課課程EXCEL檔下載の下にリストがあります。


中国語に関しては、交換留学生と訪問学生向けに、単位の出る中国語クラスがあります。
使用している教科書は、台湾の多くの語学センターで使用している「實用視聽華語」シリーズですし、教えている先生も語学センターで教えられている先生方です。私が語学センター留学時代に教えてくださった陳先生が、今学期からこの交換留学生クラスを担当することになったとの報告がありました。(下の画像のクラスを担当しています)


この中国語クラスについての説明はこちらです。

名簿も公開されているので、学生の人数やクラス数、授業時間などこちらも参考までに
103-1 國際生華語 (I) 分班結果
103-1 國際生華語教室和級數安排  

ですのでNさんの場合、最初から訪問学生として台湾大学に入ってしまうのもひとつの選択だと思います。この交換留学生・訪問学生向けの中国語クラスのメリットは別途学費がかかることもありませんし、単位ももらえる点です。

ただこの中国語のクラスは、初級〜中級レベルの場合、一クラスの学生数が20を超える上、授業が週3日、各2時間の週6時間なのに対し、台湾大学の語学センターの中国語クラスは一クラス最大6人、週5日、各3時間の週15時間のレッスンなので、学習の効果を求めるなら、やっぱり語学センターに通う方が中国語の上達は見込めると思います。

質問に上げられていた私の中国語のレベルなのですが、実は私は台湾に来る前に独学で勉強していまして、HSK五級を持っていました。それから語学センターで1年中国語を習った後、大学に入学したという流れなんです…。なので、1年で中国語レベルをものすごく上げた訳ではないのです…。

語学センター時代の中国語学習について、1日3時間というのは少ないのではないかとの心配をされていましたが、私は当時ワーキングホリデーのビザで来台していたので、二学期目からはアルバイトをしていました。中国語のみを使う接客業でしたので、実際ここで中国語を使いまくることで上達する部分は大きかったと感じています。もし語学センターへまず入るのであれば、ワーホリビザ利用も選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。ただこの場合の一番のデメリットは、台湾内ではビザの切り替えができないので、訪問学生として台湾大学に入学する際に、一度日本へ帰国する必要があるということです。

また、もし中国語学習と同時にTOEFLの勉強もするのであれば、中国語の授業3時間というのはちょうどいい位の量ではないかとも思います。台湾大学の語学センターでは毎日宿題がでますし、時々プレゼンや単元ごとのテストもあるので、忙しくしすぎるとキツいと思うのでその点が心配です。英語も学校で学びたいのであれば、台湾大学の語学センターの同じ校舎で開講している英語のクラスに通うこともできます。


以上思ったことを長々と書いてしまいましたが、私が提案できるのは
  1. 最初から訪問学生として入学、交換留学生・訪問学生向けの中国語クラスを受ける。
  2. 半年間語学センターとワーホリビザ利用で中国語を集中的にやる。その後訪問学生として台湾大学に入学。
  3. 半年間語学センターで中国語、独学もしくは語学センターで英語の試験対策をする。その後訪問学生として台湾大学に入学。
という感じです。参考になれば幸いです。

4 件のコメント:

  1. はじめまして!早稲田大学在学中のNと申します!

    来年の春から台湾に一年間留学することを考えています。
    本当は正規課程に入り英語で専門分野を学ぶ経験をしてみたいと考えていたのですが、語学力が心許ないので(英語はTOEIC780点程度、中国語は大学の授業を受けた程度)、次のように考えています。

    2015年Second Semester:大学付属の語学学校に通って中国語を勉強。並行してTOEFLの勉強を進める。
    2015年 First Semester:Visiting Studentとして正規課程の授業を英語で受ける。

    ただ、不安に思っている点があり、経験者の amikawaさんに意見をいただけないかと思いコメントさせていただきました。

    語学学校に通って勉強して十分な中国語力はつくのか不安に思っています。 amikawaさんは一年間語学学校に通って本課程に入学されたとのことで一年間で大学入学できるまで伸ばすなんて凄いと思ったのですが、実際のところはどうでしょうか??授業時間が一日3時間しかないそうなので余った時間を有効活用できるのかが心配です。。

    台湾への正規課程留学をされている方は少なく、情報収集に困っています。なにかちょっとしたことでも大変参考になるのでアドバイスいただけないでしょうか?
    お手漉きの際にお返事いただければ幸いです。よろしくお願いいたします!

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    1. Nさんこんにちは、ご質問ありがとうございます。
      返信が遅くなり、お待たせしてしまって申し訳ありません。

      回答が長くなったのと、リンクなどを挿入したかったので、ブログ本文内にて追記という形で回答させていただきました。少しでも参考になれば幸いです。またもし疑問点がありましたら遠慮なくおっしゃってくださいね。

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  2. amikawaさん
    お返事ありがとうございます。

    とても丁寧、詳しく説明していただき、大変参考になりました!

    私の疑問に思っている点はほぼ全てamikawaさんのアドバイスで解決できました。

    本当にありがとうございます!

    それにしても台湾に行く前にhsk5級とってしまうのは凄いですね...
    独学で勉強してらしたのでしょうか...?

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    1. お役に立てたようで光栄です!

      私は台湾に来る前に独学で中国語を勉強していました。当初は台湾の大学に入ることなんて全く念頭になく、趣味感覚だったので、HSK5級を取るまでに3年かかりました…w

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